【ポイント】両面が白い板紙の選び方
目次
両面が白い紙を選ぶ際のポイントは、「デザインに対するこだわり」と「価格」のバランス。
「高級白板紙」「片面コートアイボリー」「片面コートカードA」「片面コートカードB」など
たとえば、デザインで淡い色の特色(「ピンク」「水色」「クリーム色」など)を選び、
「片面コートカードB」を使用すると、グレーの古紙層の影響で色が沈んで見えることがあります。
淡い色の特色はインキに占めるメジュウム(調色に用いる無彩色の希釈用インキ)の割合が高く、
紙の白が透けやすいため、インキの盛り量を増やしても色の沈みをなかなか解消できません。
DICやPANTONEなどのカラーガイドを色見本にした「厳密な色合わせ」が必要な場合、
まずは紙自体の白さから「高級白板紙」を第一候補にし、予算を考慮しながらグレードの低い用紙を選ぶのも一つの方法です。
そういった場合、どの程度の色の沈みまでならOKか?など、誤差の許容範囲を決めておくとよいでしょう。
※DICやPANTONEのカラーガイドは、製造ロットや保管状態などの影響で色味に若干の違いが出ます。
厳密な色合わせをご希望の場合は、お手元のカラーチップをお送りください。
化粧品や医薬品など高価な商品には、印刷仕上がりの最もよい紙を!
→『高級白板紙』
箱の中に入れる商品が高価な場合は、「高級白板紙」を第一候補に検討します。
理由は、「特色印刷」「表面処理」「箔押し」などを行う場合も多く、品質の間違いが少ないからです。
ただし、厚さのバリエーションが少ない(厚手が少ない)ため、
大きな箱(20cm角以上)の場合は強度不足に注意が必要です。
用紙により高い品質が必要な場合はこれ!正確な特色印刷にも対応。
→『片面コートアイボリー』
『片面コートアイボリー』は、「蛍光染料を使用していない紙」という条件の場合に使用します。
食品衛生法により、蛍光染料は食品に直に接する包装材への使用を禁止されているためです。
また、光源に左右されにくく安定した白さを持つという特徴もあります。
「片面コートカードA、B」ともに、蛍光染料を不使用としている製紙メーカーもありますが、
原料の古紙に含まれている場合もあり注意が必要です。
厚みのバリエーションはありますが、使用実績の少ない紙です。
→『片面コートカードA』
『片面コートカードA』は「片面コートカードB」と比較すると古紙配合率が低く、
190g/㎡までの薄さがあるため、小さな箱や台紙に適しています。
しかし当社では、銘柄指定や現物見本で使用されている場合を除き「片面コートカードA」をおすすめしていません。
一番の理由は、「片面コートカードB」と品質の差が少ない割に価格が上がるためです。
「コート白ボール」の『裏ネズ』が気になった時に。
→『片面コートカードB』
「コート白ボール」の裏面のネズミ色が気になる場合、『片面コートカードB』を検討します。
食品、衣類、化粧品などのジャンルでは、「コート白ボール」の一つ上のグレードとして使用量の多い用紙です。
箱の設計や寸法が優先される場合
→用紙の厚さから選ぶ
『片面コートカードB』は一番薄手でも270 g/㎡ のため、それ以下の薄手を求める場合には、
190 g/㎡までバリエーションがある「片面コートカードA」「高級白板紙」の中から選ぶとよいでしょう。
(引用:北越コーポレーション 紙器用板紙見本帳/株式会社深山HP/印刷雑誌2017年5月号 )