ワンタッチ底【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説
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ワンタッチ底の箱は、地獄底の箱と同様、お酒などの縦置き型の商品を入れるのによく使われる形状です。
各図面は、左から1面、2面、3面、4面と呼んでいます。一番左は、のりしろです。
目次
ワンタッチ底
《板紙》フタ1面 ワンタッチ底箱の展開図(ロック付き)
フタが3面についたワンタッチ底の展開図です。
下の図面は縦長で、化粧品やお酒などのボトルを入れる場合によく使われます。フタの差し込み部などは、キャラメル箱や地獄底箱と共通しています。
違う点は、のりしろの下部にカーブがついていることです。このカーブをつけることで、糊付け加工がしやすくなり品質が安定します。
《合紙/段ボール》フタ2面 ワンタッチ底の展開図(ロック付き)
フタが2面についたワンタッチ底の展開図です。
下の図面は、日本酒を入れる場合によく使われる設計です。4面に穴の開いた首押さえがあり、輸送時に瓶がガタつくことを防止する効果があります。
板紙の設計と同じように、のりしろの下部にカーブがついていますが、板紙と比べると角度を微妙に変えています。こうすることで、糊付け加工をしやすくなり品質が安定します。
会社によっては、「カーブがあると機械で貼れない。手貼りになりコストが上がる。」ということがあるかもしれません。設計により、その会社の設備や技術も知ることができます。
ワンタッチ底とはどんな箱?
特徴
ワンタッチ底とは、底面に糊付け加工し、折りたたんだ状態から広げると自動的に底面が組みあがる形状です。地獄底と比べ、組み立ての手間が少なく済みます。地獄底の組立作業が負担になっている方におすすめの形状です。
欠点は、保管スペースが地獄底の箱に比べて必要ということです。底が糊付けされているため、底部分がかさばるためです。
主な用途
日本酒、ワイン、化粧品、健康食品、お菓子、雑貨、電子部品など。
設計のポイント
ワンタッチ底は、底の糊付け部分が小さくなると、不良率が上がる傾向があります。奥行は少なくても30ミリ程度は確保したいところです。
また、サイド貼り部分の底側にカーブをつけ、接着面積を大きくしておくことも大切なポイントです。カーブをつけないとボンドの接着面積が少なくなり、接着不良が起きやすくなります。接着面積の問題のほかにも、ボンド塗布後の圧着工程で、底組の反発で圧着が弱まることも不良発生の原因の一つです。
上記の図面は縦長ですが、横長の箱にワンタッチ底を採用することも多々あります。横長のワンタッチ底の場合、フタを1面につけることがポイントです。こうすることで糊付け工程の難易度が下がり、不良率も改善します。
投稿者:駒形 和彦
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