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化粧箱の展開図と見取図について。設計のポイントや考え方。

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展開図と見取図の違い

化粧箱の展開図とは、立体である箱を平面に展開した図面のことです。
それに対し、見取図とは、立体の箱を平面に書いた図のことをいいます。

箱を作成する時には、まずサンプルを作りますが、その時いきなり展開図を作成するわけではありません。箱の中に入れる商品を採寸し、適切なサイズ、形状、材質を検討します。

そうした検討段階で見取図を作成します。見取図というと大層なものを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、立体の箱を手書きで書くだけです。手書きで設計の方向性を確認してから展開図を作成することで、設計の漏れや間違いを防ぐことができます。

以下の写真のような感じで営業が手書きした見取図や展開図をもとにサンプル作成を進めていきます。

展開図の作成で大切なポイント

①商品をきちんと保護してくれる設計

「商品をきちんと保護してくれる設計」のポイントは材質と形状の選定です。

商品の入れ方に対して、箱で商品を支えて保護するか、商品自体の強度を生かした設計にするか検討します。輸送方法や商品の陳列方法も合わせて検討し、商品が破損しないような材質と形状にします。商品を固定するためや、見栄えをよくするために、台紙や仕切りなどを併用する場合もあります。コストに配慮しつつ、きちんと商品を保護する設計を心掛けています。

②商品サイズに適した箱サイズ 

「商品サイズに適した箱サイズ」でのポイントは、余白の取り方です。

箱の中で商品が動くと、その振動で商品やラベルが傷つくことがあります。かといって、余白がないと商品を出し入れする際に、こすれて傷がつく恐れがあります。きつすぎず、緩すぎない事がポイントです。

③「組み立てやすいシンプルな設計」

「組み立てやすいシンプルな設計」でのポイントは、設計を複雑にしすぎない事です。

複雑な設計は、組立に時間がかかります。納期に余裕があればいいですが、納期が少ない場合は、負担となってしまいます。

特に、台紙や仕切りの設計は、複雑になってしまう傾向があるため注意が必要です。材料コスト削減のため、1枚のシート上で複雑な設計にするよりも、パーツを分けてシンプルな設計にした方が組立コストが下がる場合もあります。

展開図の設計

展開図の作成には紙器設計用の専用ソフトを使用

現在では化粧箱の設計に、紙器設計用のCADソフトを使用しています。用途に応じた形式で展開図データを書き出すことができ、製造上の連携もスムーズです。例えば、グラフィック向けには『EPSデータ』、抜型製造向けには『DXFデータ』に変換して、データ交換をしています。

最近では、Adobe Illustrator用のプラグインなどもあり、紙器設計が手軽にできるようになってきました。そのため、一般的な形状以外にも複雑でユニークな設計ができることも求められています。

展開図が完成したらサンプルカッターでカット

PCの画面上や数値情報だけでなく、実際の形状確認も重要なため前述のCADソフトと連動したサンプルカッターを使い、展開図をカットします。

紙の目なりの向きで強度が変わることもあるため、箱サンプルでの確認はとても大切です。お客様との打ち合わせも箱の実物を作らないと分からないことがあります。実際にお会いして用途などをお聞きすると、想定外の箱の使い方をすることもあるためチェックは欠かせません。

 

投稿者:駒形 和彦

 

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