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化粧箱に表示する「リサイクルマーク」/ダウンロード素材/表示例

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 このコラムでは、化粧箱や包装紙、ダンボールに表示するリサイクルマーク(紙マーク、プラマーク、ダンボールマーク)についてご説明するとともに、デザインに使用できるダウンロード素材(PDF)もご用意しました。マークの表示方法については、各ガイドラインやマニュアルを参照した中から、表示サイズや表示場所、方法などのよくある使用例をまとめておりますので、参考にしていただければ幸いです。(お急ぎの方は、マークのダウンロードと具体的な使用方法を解説する2,3,4章をご覧ください。)

化粧箱やパッケージでよく使われるリサイクルマークとその種類 

 普段の生活で、使い終わった商品のパッケージや梱包箱などを処分する際に「紙マーク」や「プラマーク」、「ダンボールマーク」などのマークで分別方法を確認することがあると思います。これらのマークは、分別回収をしやすくしてリサイクルを促進するために表示されています。リサイクルマークは、法に表示を義務付けられているものと、そうでないものとがあります。

「紙マーク」と「プラマーク」

 まず、「紙マーク」や「プラマーク」は「識別マーク」といいます。「資源有効利用促進法」に基づき、指定表示製品と定められた容器包装にその材質を表示すること(識別表示)が義務付けられています。容器包装とは、ボトルや袋など商品を入れたり、包装紙などのように商品を包むもので、商品を消費したり取り出した後は不要となるもののことです。表示義務者は、容器の製造事業者、容器包装の製造を発注する事業者、輸入販売事業者です。業務用の容器包装や無地の箱など一部を除き、化粧箱や包装紙、袋などを作る際には、印刷や刻印、ラベルなどで識別マークを表示することが必要となります。識別マークの使用について、届出の義務や使用料の支払いは不要です。

識別表示対象となる指定表示製品(そのうちの容器包装)は、以下の通りです。 

紙・プラなどの識別マークが義務付けられている指定表示製品

  • 紙製容器包装(飲料・酒類用紙パックでアルミ不使用のもの及び段ボール製容器包装を除く)
  • プラスチック製容器包装(飲料・酒類・特定調味料用のPETボトルを除く)
  • スチール缶(飲料・酒類用)
  • アルミ缶(飲料・酒類用)
  • PETボトル(飲料・酒類・特定調味料用(しょうゆなど))

参照:経済産業省 資源有効利用促進法 識別表示 https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/law/02/index06.html

※上記の「指定表示製品」には塩化ビニル製建設資材、小形二次電池もありますが、当コラムでは紙製・プラスチック製の容器包装について取り上げます。

 

「ダンボールマーク」

次に、ダンボール箱に表示されている「ダンボールマーク」ですが、上記2つとは少し異なります。

ダンボールのリサイクルマークについて

 識別表示に法的義務はないのですが、段ボールの分別排出をしやすく、高品質リサイクルを維持・促進するために業界団体が自主的にマークを定め、事業者がこれに基づき表示することを推進しています。マークの図形部分は、「国際リサイクル・シンボル」といい、その段ボールがリサイクル可能であることを示す世界共通シンボルで、「ダンボール」「ダンボールはリサイクル」などの文字を合わせて「段ボールのリサイクルマーク」とされています。マークの名称は「段ボール(漢字)のリサイクルマーク」ですが、実際に印刷するシンボルの下にある「ダンボール(カタカナ)」の文字は、字画が少ない方がダンボールへの印刷時に鮮明になりやすいことと、子供でもわかりやすいようにカタカナの表記となっているとのことです。(このコラムでは以後、読みやすさ優先で「ダンボールマーク」と呼称させていただきます。)

参照:段ボールリサイクル協議会 「段ボールのリサイクルマーク運用マニュアル」   http://www.danrikyo.jp/files/libs/13/201507281830462463.pdf

 そして、「ダンボールマーク」の表示については、少し注意が必要な点があります。

・印刷方式によって表示サイズが変わる。(こちらは2章にて解説します。)

・カラー印刷をした化粧箱でも、「合紙」をしたものは、ダンボールマークが必要。※材質の重さによって、紙マークで表示するケースもあります。(これは『5章「紙マーク」と「ダンボールマーク」で迷ったら』にて解説します。)

 

ややこしい部分もありますが、次章以降は使用方法にフォーカスしていきます。

 

デザイン用素材ダウンロードと表示サイズについて 

 まずは、化粧箱などのデザインにご使用いただける紙マーク、プラマーク、ダンボールマーク(段ボールのリサイクルマーク)のデータをPDF形式でご用意しました。どのマークも、縦横の比率を変えるのはNGで、それぞれ表示するサイズの決まりがありますのでご注意ください。(サイズは最小サイズです。)

 

紙マーク・プラマーク 素材

紙マークとプラマークの表示サイズ

  1. 印刷・ラベルの場合…上下6mm以上、役割名(外箱、袋など)は6pt以上
  2. 刻印の場合…上下8mm以上、役割名は8pt以上

 

 

段ボールのリサイクルマーク 素材

段ボールのリサイクルマークの表示サイズ

  1. 段ボールへ直接印刷する場合…シンボルが上下30mm以上、「ダンボール」の文字で15pt以上。
  2. プレプリント方式の場合…ライナーに印刷してから、中しん原紙に貼り合わせる場合。シンボルの上下12mm以上、「ダンボール」の文字で8pt以上。
  3. 紙器用板紙にオフセット印刷などをし、片面ダンボールに貼り合わせる(合紙)場合…シンボルの上下で6mm以上、「ダンボール」の文字で5pt以上。

 ※「ダンボール」の文字は、前述の理由からカタカナ表記にて。位置はマークの上下または右側に配置を変更することが可能。

 

リサイクルマークを表示するもの・しないもの

 おおまかには、国産品で、印刷があり、表示可能な容器包装には表示が必要で、無地のものは表示不要ですが色無地(単一色での全面印刷)は表示を省略できるなど、様々なケースで表示するかしないかが定められています。この章では、その中から迷いがちなものをいくつかピックアップしました。(詳しくは7章 参照元の資料をご確認ください。)

リサイクルマーク表示する・しない例

表示するもの

  • 印刷があり、物理的に表示可能な容器包装
  • パターン印刷の容器包装…印刷と見なされるため、表示が必要。
  • 輸入品…輸入販売事業者が容器包装の素材・構造・商標使用のいずれかを指示した場合は、国産品と同様に識別表示が必要。輸入品の容器包装に、日本語の印刷・ラベル・刻印が表示されいてる場合は識別表示が必要。

 

表示しないもの(表示の省略が可能なもの、または表示義務対象外のもの)

  • 素材や構造上その他やむを得ない理由(表示スペースが無いなど)により表示が不可能な容器包装…直接表示を省略可能。ただしその他に表示可能なものがあればそちらにまとめて「一括表示」する。(次章にて解説)
  • 無地の容器包装…値段、賞味期限やロットナンバーの印字、それを印字したシールは印刷とみなされないため、直接の表示を省略可能。※社名印刷があるラベル、JANコードのみのラベルには袋のプラマークが必要。(また、無地の容器包装でも再商品化を促進する観点からは、自主的に表示してもよい。)
  • 色無地の容器包装…無地の容器包装は直接の表示は省略可能。単一色による全面印刷(1色でベタ刷り)は、印刷とみなされないため、表示を省略できる。
  • 試供品、見本、サンプルなど…「サンプル」「見本」などの表示があり、見た目で明確に商品ではないと区別できるものは表示義務対象外。
  • 業務用の容器包装…家庭で消費されないものは表示義務対象外。
  • 商品タグ、取扱説明書…容器包装(商品を入れる・包むもの)ではないため表示しない。取扱説明書の材質についても、表示不要。※識別表示が必要な容器包装がある場合でも、説明書に識別表示を記載することはできない。
  • 無地のダンボール…製造工程で印刷しないもの。カラーライナーを使用して印刷工程を経ないものも省略可能。 
  • 牛乳パックなどの飲料・酒類用紙パック(アルミ不使用)、段ボールには、識別表示の法的義務がなく、紙マークを表示しない。(どちらも各関係業界団体により紙パックのマーク(全国牛乳容器環境協議会)、段ボールのリサイクルマークを自主的に採用し表示)
  • 商品の面積1/2以下の「のし紙」…面積1/2以下は「容器」でも「包装」でもないため表示義務対象外。
  • 輸出品…日本国内の家庭で消費されないものは表示不要。
  • 不織布…プラスチック製でも紙でもないので、該当せず表示不要。

 次章は、リサイクルマークの表示方法の具体例です。

 

リサイクルマークの表示方法~場所・色・具体例

表示方法

容器包装の表面に1箇所以上、

  • リサイクルマークを印刷する
  • リサイクルマークを印刷したラベル(シール)を貼る
  • 刻印する

 

表示場所

化粧箱でのリサイクルマークの表示位置の例

化粧箱の場合は、組み立てた時(商品を入れた時)に外から見えやすいところ(表面)。

当社では箱の裏面の原材料などの一括表示部分や、使用上の注意書き、JANコードの近くに表示することが多いです。他には箱の底面や、形状によっては側面に配置するなど、デザインの「顔」の邪魔にならないように正面やフタ(天面)以外の面で表示しています。上の図解では、丸印のどれかの位置となります。(箱の内ふた・フラップや、容器を開けないと見えないところや、包装紙の場合は折り込んで隠れる部分には表示しない)

 

周囲の色や模様と比べて、鮮明・容易に識別できることが必要。

スミを印刷する場合はスミで、その他でも見やすい色で表示します。マークを白抜き(反転)にすることもできますが、直射日光が当たってインキが色あせてしまった時にマークが見えなくならないか、注意しましょう。

 

その他「一括表示」など

上記の他に、具体的な表示例をいくつか取り上げてみます。

リサイクルマークの一括表示例

「外箱」、「個包装」のように、容器包装が複数で構成されている場合(多重容器包装)…当社では、比較的頻度が高い表示例です。識別マークは各構成部分に直接表示することが原則とされていますが、ほぼ同時に捨てられる構成部分についてはいずれかの部分にまとめて一括表示できます。その際は各構成部分、箱、台紙、仕切り、袋、内装などといった「役割名」を併記します。「役割名」は、消費者にとってわかりやすい呼称であることが必要です(業界統一のガイドラインがあればそちらに従います)。

表示できるスペースがない場合(素材や構造上、物理的に表示できない場合)…箱が小さく、上記2章の規定サイズで表示できるスペースが無い場合は表示を省略できますが、他に表示可能な容器包装がある場合は、そこに一括して表示し、役割名も併記します。

・プラスチック製容器包材の材質表示(PE、PPなど)…法的義務はありませんが、表示がある方が望ましく、材質記号はJIS K6899-1 2000(ISO 1043-1 1997)で定められています。2つ以上を表記し、主要な材料に下線を付けることが推奨されています。

 

「紙マーク」と「ダンボールマーク」のどちらで表示するか迷ったら(材質が板紙と合紙の場合の使い分け)

 板紙にカラー印刷(オフセット印刷)をした化粧箱でも、強度を出すために片面ダンボールを「合紙(ごうし)」をしたものは、「段ボールマーク」の表示が必要になります。合紙は糊で貼り合わせるため、ごみに出すときにダンボールと板紙を分離させるのは大変です。こういった分離不可能な異素材が複合されている場合は、質量の最も重い方の容器包装に分別するとされ、ダンボールが重ければダンボールマーク、板紙の方が重ければ紙マークを表示することになります。

 当社では、合紙は片面EFダンボール(厚さ1.5mm)を使用することが多く、大抵はダンボールマークを表示しています。まれなケースですが、片面EFダンボール(厚さ1.5mm)でも板紙が厚さ350g以上の場合は「紙マーク」となります。製造する合紙の化粧箱への表示がどちらに該当するかご不明でも、当社にて判断しますのでご安心ください。

合紙の解説 :箱の材質 合紙「片面ダンボール」他 日本酒などの瓶の化粧箱で、強度を上げるためにする加工です

おわりに

 リサイクルマークに関するコラム、当社でもよく使用する化粧箱での表示例を中心にまとめましたが、予想以上のボリュームとなってしまいました。令和2年度の家庭から排出されるごみのうち、容器包装が占める割合は、容積比で63.2%、湿重量比で23.3%だったとのことです(https://www.env.go.jp/recycle/yoki/a_1_recycle/index.html 環境省 容器包装リサイクル法 より)。容器包装は製品の流通に欠かせないものですが、しっかり分別してリサイクルしていけるよう各種マークの表示義務を守り、また一消費者としても、分別を心がけたいと改めて感じた次第です。どのマークを入れたら良いか迷った時、他に表示するべき情報(原材料表示や商品説明など)が多い時、また箱自体が小さくて表示スペースの確保が難しい時など、表示方法でお困りの際もお気軽にご相談ください。お客様からの入稿データも上記のような規定に沿えるよう、チェックし調整させていただいております。

 

 

参照元資料URL

当コラムで取り上げた例は一部ですので、下記サイトや資料もぜひ一度ご確認ください。

〈識別表示 紙マーク、プラマーク〉

・経済産業省 識別表示

https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/mark/index.html

 

・「容器包装の識別表示Q&A」…Q&A形式や識別表示チェックシートが収録されており、一番わかりやすい資料です。

https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/pamphlet/pdf/pamphlet_mark_gimu.pdf   ←12/20リンク先修正しました。

https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/law/02/faq/faq2.html ←こちらはHPで各Q&Aなどまとめられています。

 

・関連する「容器包装リサイクル法」、容器包装の再商品化義務、リサイクルの流れなど…小中学生・消費者向け、企業・事業者向けに動画や図解などのコンテンツが豊富

公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 https://www.jcpra.or.jp

 

〈紙製容器包装マーク〉

紙製容器包装リサイクル推進協議会

http://www.kami-suisinkyo.org/QA.html

 

〈プラスチック製容器包装マーク〉

プラスチック容器包装リサイクル推進協議会

https://www.pprc.gr.jp/pla-mark/index.html

 

〈段ボールのリサイクルマーク〉

・段ボールリサイクル協議会「段ボールのリサイクルマーク運用マニュアル」 段ボール利用事業者向け資料

http://www.danrikyo.jp/publics/index/106/

・全国段ボール工業組合連合会 「段ボールのリサイクルマーク運用ガイドライン」 段ボール産業事業者向け資料

https://zendanren.or.jp/pages/41/

 

〈紙パック識別マーク〉

全国牛乳容器環境協議会

http://www.yokankyo.jp/pack/mark.html

 

※表示に関して、所属する業界団体のガイドラインがある場合はそちらに照会してください。

文責:駒形 和彦

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