化粧箱に漫画やアニメのキャラクターを印刷:コート白ボール/片面コートカードB/高級白板紙
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ブラックジャックによろしく 佐藤秀峰
化粧箱に漫画やアニメのキャラクターを印刷するご依頼があります。残念ながら、事例を紹介することはできませんが、以下のサイトで「ブラックジャックによろしく」の漫画データを二次利用フリーで公開されておりましたので、「コート白ボール」「片面コートカードB」「高級白板紙」に印刷してみました。
「電書バト」https://densho810.com/free/
この記事では、化粧箱によく使用される用紙ごとに、オフセット印刷でキャラクターを印刷する際の注意点をご紹介します。
※写真の見本はPOD(オンデマンド印刷)で印刷したものです。オフセット印刷よりも用紙ごとの特徴が分かりにくい点をご了承ください。
目次
色に厳しいキャラクターをオフセットで印刷するには?
「コート白ボール」にキャラクターを印刷する時の注意点
ブラックジャックによろしく 佐藤秀峰
コート白ボールは中層がグレーのため、印刷すると少し色が沈んで見える特徴があります。
濃い色の場合は目立ちませんが、淡い色のキャラクターを箱に大きくデザインする場合は注意が必要です。特に、肌色は沈みやすく、キャラクターの印象が変わりやすいため、印刷データを調整することもあります。
「片面コートカードB」にキャラクターを印刷する時の注意点
ブラックジャックによろしく 佐藤秀峰
片面コートカードBは、コート白ボールに比べると古紙配合率が低いため、中層のグレーが目立ちにくく、キャラクターを印刷しやすい用紙です。
医薬品や健康食品の箱などでも使われる用紙で、淡い色のキャラクターでも無難に印刷できます。
「高級白板紙」にキャラクターを印刷する時の注意点
ブラックジャックによろしく 佐藤秀峰
高級白板紙(今回は、パーフェクトWを使用)は、医薬品や化粧品の箱などでよく利用され、高白色、高平滑で、色再現性の高い用紙です。
色トラブルが少なく、キャラクターを印刷するのに適しています。青系の白、赤系の白といったようにメーカーにより、微妙に白の色が変わりますので、キャラクターのイメージにより使い分けるとよいでしょう。
化粧箱にキャラクター印刷する時の注意点その他
◎4色カラー印刷の場合
化粧箱にキャラクターを4色カラー印刷する時、最も注意すべき点は、キャラクターの顔の色です。
化粧箱に使う用紙もいろいろな種類があるため、同じデータで印刷しても、紙が異なると色も変わってしまいます。そこで当社では、できるだけ色が変わらないように印刷データを調整します。
手順としては、まず入稿いただいたデータを上質紙で出力し、それを色見本とします。「コート白ボール」などは、中層がグレーのため印刷すると色が沈みやすく、印刷結果を想定したデータを調整で、できるだけ色見本に近づけるようにします。
しかし、調整したデータでも色が合わない場合もあります。その場合は、再度データを調整して再印刷する場合もあります。
キャラクターを4色カラー印刷する場合の難しい点は、「肌の色に合わせようとすると、髪の色が変わったりすること」や、「バックの色の影響を受けて、肌色が濃くなりすぎたりすること」です。キャラクターやバックの色などのバランスを考慮しながら、データや印刷機の調整をしています。
◎特色印刷の場合
化粧箱にキャラクターを印刷する時、特色を使用することがあります。
キャラクターそのものは、4色カラーで印刷することが多いのですが、キャラクター以外の部分(イメージカラーやコーポレートカラー)で特色を使用するケースなどです。その場合、「4色+特色1色=5色」となり、その分コストが上がることになります。
特色を4色カラー印刷する場合は注意が必要で、「キャラクターを優先するか」、「特色部分を優先するか」、「データ通りの成り行きで行くのか」といった方針が大切になります。
『コストは気にしない!』4色カラー+特色
→5色で印刷するため理想に近づけやすい。使用する特色の数が増えれば、その分コストはアップ。
『コストカットでキャラクターが優先!』4色カラー
→本来なら特色の部分は4色で再現し、色味は成り行き。その分、キャラクターは理想に近づけやすい。
『コストカットで特色部分を優先!』4色カラー
→本来なら特色の部分を「可能な限り」4色で再現。そのため、キャラクターの色味は少し変わる可能性がある。
【ポイント】「特色は、4色カラーでは再現できない色を、調色して作るもの」ですので、データ上で特色を4色カラーに置き換えても、特色チップ通りの色は出ないということを理解しておくことが必要です。
印刷方式について詳しくは下記の記事もご覧ください。
※関連リンク
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