オフセット印刷の製版データ作成における注意点
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2024.01.25追記
『無処理版』への完全移行により、自動現像機による現像工程は現在行なっておりません。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
製版工程での不良や不備とはどんなもの?
オフセット印刷によるパッケージ製造において、製版(製版データ作成から刷版出力)の重要性は高く、製版工程でのミスや不良が印刷や加工など製造工程での不良に繋がります。
原因は、大きく分けて「データの不備」と「資材や設備の不良」の2つが挙げられます。
データの不備
面付データの配置ズレ、ノセやヌキの設定ミスなど、印刷結果や加工に影響するデータ上のミス。
資材や設備の不良
主に印刷結果に影響を及ぼす、刷版のキズや汚れなど物理的な不良。
製版データの不備を防ぐ確認ポイント
製造工程での不良を防ぐために、まずは「製版データ」を正しく作成することが必要です。お客様からお預かりする入稿データは、そのまま印刷できる訳ではありません。希望どおりの仕上がりのため、必要に応じてレイアウトの調整や画像のカラーモード変換(RGBからCMYKに変換)、色調整を行います。
入稿データを製版用データに変換するまでに、以下のような点を確認しデータを処理しています。
◎入稿データ作成ソフトの種類やバージョンの確認
◎入稿データの制作サイズは、予定のサイズになっているか
◎文字やオブジェクトのサイズは印刷可能か(小さすぎる文字・細すぎる罫線など)
◎パッケージの場合、一括表示やリサイクルマークは法令に従った内容やサイズかどうか
◎画像を使用の場合、解像度やカラーモードは適切か
◎塗り足しは適切に確保されているか
◎ノセ(オーバープリント)、ヌキ(ノックアウト)、太らせ(トラッピング)の判断
すべての作業はPC上で専用ソフト(Adobe Illustrator、InDesign など)を使って行いますが、簡易校正やプリンタ出力など紙ベースでのチェックも欠かせません。これらを経て、刷版や用紙サイズに合わせて面付を行うと「製版データ」が出来上がります。
製版資材や設備もチェック
次に、「製版データ」はRIPサーバを通して分版とアミ点変換され、プレートセッター(以下 セッター)で出力されます。セッター内部では刷版となるPS版(感光被膜が施されたアルミの板)にレーザー露光でアミ点を焼き付け、現像することで刷版が完成します。
セッターや現像機は定期的なメンテナンスや、部品交換でトラブルを防いでいますが、以下のような場合で「刷版の不良」が発生する場合があります。
◎保存期間や環境によるPS版の劣化
◎セッター内部の結露による露光不良(温度・湿度が影響)
◎現像時、版面への汚れの付着
◎静電気によるキズ
これらは、定期的なメンテナンスだけで防ぐのは難しいため、作業環境を整え、最終的に目視による検版を行って取り除きます。データ、資材や設備、全てにおいて確認を要する点が多いことから、製造トラブルを防ぐ第一歩として『いかにして製版の不良を出さないか』が重要と言えます。
【プレートセッター】
PCから直接データを送り刷版を出力することを意味する「Computer to plate」の頭文字を取って「CTP」とも呼ばれます。
【自動現像機】
現像液槽、水洗槽、定着液槽の3つに別れた内部を通過することで刷版が完成します。
【現像後の刷版】
プレートセッターから出力され、現像機を通した後の刷版です。新油性の青い部分にインキが乗ります。
2024.01.25追記
『無処理版』への完全移行により、自動現像機による現像工程は現在行なっておりません。詳しくは下記の記事をご覧ください。
制作と入稿については以下のリンクもご覧ください。