和のパッケージ需要に向けた化粧箱製造テスト「和紙の合紙」にトライ!②
ブログ
さて先週に引き続き、
「和のイメージを全面に出したパッケージ需要が高まっていくのでは?」という
今後の予測を元に実施した「和紙の合紙」テスト結果のご紹介です。
前回のおさらいとしまして、「合紙(ごうし)」とは
化粧箱などに欠かせない加工のひとつで、
薄い紙に厚い紙を貼り合わせて強度を持たせる加工です。
今回の製造テストは、
3種類の和紙を片面ダンボールに合紙(貼り合わせ)し、
日本酒用の化粧箱の抜型を使い型抜きをしています。
ではさっそく2種類目の和紙、「雲竜紙」の結果です。
テスト結果その2:「雲竜紙」
雲竜紙(うんりゅうし)は、紙の全体に繊維が入っているのが特長です。
テスト結果は、シワが寄ってしまいましたが
その後の機械調整でカバーできました。
テスト結果その3:「版画用紙」
「版画用紙(はんがようし)」は、やや黄色みのある白い紙です。
比較的、表面が均一で柔らかい質感です。
こちらは合紙してみて、部分的に表面が向けてしまいました。
テストのまとめ
3種類の和紙「奉書紙」「雲竜紙」「版画用紙」を片面ダンボールに合紙した結果は、
1勝1敗1分けという所でしょうか。
「奉書紙」……◯ 特に問題なく仕上がりました。
「雲竜紙」……△ シワが寄りましたが機械調整でカバー。
「版画用紙」……× 表面の紙剥けが発生してしまった。
総合的にテスト時の条件などを振り返ってみますと、
通常の化粧箱製造なら、用紙は1種類ずつ合紙の機械にセットします。
今回は製造テストということで、
上紙(今回の場合は和紙)を3種類同時に機械にセットしたため
用紙に合った機械調整が追い付かない所があり、
シワがよるなどの不具合はそれが原因で起きたのではないかと考えられます。
今後の課題
実際に和紙をパッケージ(化粧箱)に使用する場合は、
「合紙」「抜き」加工以外にも、「印刷」や「糊付け加工」がありますので、
和紙の表面の強度がないと加工に耐えられないのかなという印象でした。
今後は、表面の強度を意識した加工を追加し、改めてトライしたいと考えています。
試作の際は、またこちらのスタッフブログや、
奇数月発行の「コマガタ通信」にて結果をご報告させていただきます。
お楽しみに!
(担当営業:駒形 崇)
関連記事
「コマガタ通信」では、化粧箱などの製造事例やお役立ち情報を多数ご紹介。バックナンバーもぜひご覧くださいね!
◎2024.9月更新