フレキソ印刷(ダンボール印刷)の印刷限度について解説
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目次
どこまで線を細くできる?解像度(dpi)はどの程度まで可能?
結論
フレキソ印刷(ダンボール印刷)は、オフセット印刷ほどの精度は出せないため、印刷限度を守りながらデザインすることでトラブルを防止できます。
◎線の太さは、0.5ミリ以上を推奨。独立線でなければ0.3ミリ以上。フレキソ版の保管を考慮すると、1ミリ幅が妥当。
◎フォントサイズは、8.6ポイント以上を推奨。文字の大きさでいうと、5ミリ角程度。
◎フレキソ印刷の解像度は100線程度を目安に。
◎多色刷りは、版ズレが発生し、3ミリ程度絵柄がズレることがあります。
フレキソ印刷で可能な線の細さについて
フレキソ印刷は、0.5ミリ以上の線の太さを推奨しています。
入り組んだデザインや図表などの場合は、0.3ミリ以上も可能。
線が細くなるほど、印刷のカスレや潰れが出やすくなるため注意が必要です。
フレキソ印刷で可能なフォントサイズについて
フォントサイズ(文字の大きさ)は、8.6ポイント以上がおすすめです。
大きさでいうと大体5ミリ角以上になります。漢字を含む日本語字は8.6ポイント、英数字は、7.1ポイントが目安です。
ただし、明朝体などの細い書体は、8.6ポイント以上を推奨しています。
1色のフレキソ印刷(フォント比較)
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1色のフレキソ印刷(抜き文字のフォント比較)
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多色のフレキソ印刷(明朝体とゴシック体の比較)
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多色のフレキソ印刷(明朝体とゴシック体の抜き文字比較)
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フレキソ印刷で可能な解像度について
解像度については、100線(200dpi)程度が目安です。
オフセット印刷の場合は、175線(350dpi)程度ですので、フレキソ印刷は網点が目視できるようなデザインになります。
フレキソ印刷で可能な多色刷りについて
フレキソ印刷(ダンボール印刷)の多色刷りは、3ミリ程度版がズレることを前提にデザインをすることが必要です。
例えば、日の丸のように、黒い四角の中に、赤い丸を印刷しようとすると四角の中心からズレますのでご注意ください。
↓ 下の写真の茶色とオレンジが重なるところに見える白い部分が「版ズレ」です。
フレキソ(ダンボール)印刷の印刷限度についてのまとめ
フレキソ印刷はオフセット印刷と違い、細かいデザインが苦手です。
それは段ボールに適した印刷方式として発展してきたからです。
段ボールはもともと美粧性をそれほど求められなかったため、オフセット印刷より印刷精度が低くても問題ありませんでした。
しかし、版のCTP化や印刷機械の進化により、細かいデザインもできるようになってきました。
また、GF(紙厚約0.9ミリ)にオフセット印刷するダイレクトプリントという印刷方式が普及してきたことも、フレキソ印刷とオフセット印刷の境目が分かりにくいことの要因です。
最近は、インクジェットプリンターでダンボールに4色カラー印刷をすることもできるようになってきました。
材質やロットに応じた適切な印刷方式を選ぶことが、適切なコストで箱を作る大切なポイントです。
※参考リンク
ダンボールのライナー(ダンボール表裏の紙)の種類についてはこちらをご覧ください。