《印刷用入稿データの形式》PDFよりイラレがおすすめな理由・印刷用の入稿データについて
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メール添付や資料のアップロードやダウンロードなどに便利なPDF。皆さんも普段から利用することが多いのではないでしょうか?
変換方法によって様々な用途に使用できるため、近年ではネット印刷の入稿データはPDFが主流になっています。
そんなPDFファイルですが、化粧箱屋ドットコムでは入稿データとして推奨しておりません。化粧箱屋ドットコムへの入稿データは、Adobe IllustratorAiデータ(Aiデータ/イラレデータ)をおすすめしています。
この記事では、なぜAi(イラレ)データでの入稿をおすすめしているのか、入稿データとしてOKなPDF、NGなPDFの違いをご紹介します。
目次
印刷用入稿データにAi(イラレ)データがいい理由
お客様が化粧箱のデザインデータや入稿データを制作する際にはAdobe Illustratorを使用されているのではないでしょうか?
私たちも、ご入稿いただいたデータを確認する際、Adobe Illustrator(以下イラレ)を使用しています。
PDFで入稿されたデータも、すべてイラレに変換してチェックや製版データの作成を作業を行っているため、入稿用にPDFへ変換していただく必要はないと考えています。イラレデータのままご入稿いただければ、PDFへの変換で起きやすいトラブルも発生せず、ご入稿後のデータチェックもスムーズです。
PDFに変換することで起きやすいトラブルには以下のようなものがあります。
◎画像が圧縮されすぎていて印刷に適さない
◎レイヤーなどイラレデータの機能が破棄されている
◎カラーモードが変わっている(CMYK→RGB)
推奨の印刷用入稿データ
当社でおすすめしている入稿データで、最も適しているのは『イラレデータ+リンクファイル』です。
必要に応じて画像の調整を行うため、この状態が一番作業しやすいと言えます。間違いなくリンクファイルを集めるための手間がかかりそうですが、イラレの「パッケージ」機能を使用することで簡単にリンクファイルを収集できます。
次におすすめしているのが『リンク埋め込み済みイラレデータ』です。
イラレデータのみで入稿できる便利さはありますが、イラレデータの容量が重くなるため作業時の取り回しが悪くなる場合があります。また、画像調整が必要な場合は「再リンク」を行います。
ネット印刷でPDF入稿が主流なのはなぜ?
多くのネット印刷では、指定のプリセットで書き出したPDFによる入稿が主流です。
これは、入稿後のチェックや製版用の調整を行えることよりも、内容が固定されていることが優先されているためです。基本的にデータは受け入れたものをそのまま使用することが前提という考え方です。
手軽で便利ですが、入稿先で内容を細かくチェックしたり、印刷の仕上がりのための調整を行うことはありません。
PDFとは?
PDFは
参考サイト:Adobe HP「PDFとは?PDFのメリットとPCやスマホでの表示・作成方法を解説」
入稿OKなPDFとは?
化粧箱屋ドットコムで入稿データとして使用できるPDFとは、『Illustrator機能保持』されたPDFです。
イラレのPDF保存プリセットとしては以下があります。
◎Illustrator初期設定 ◎プレス品質 ◎高品質印刷
これらを選択すると自動的に『Illustrator機能保持』にチェックが入った状態になるため、入稿データとしてお使いいただいても問題ないと言えます。
しかし、前述のとおりPDFでご入稿いただいても、データチェックや製版データ作成のためにイラレデータとして展開・保存するため、おすすめしていません。
また、印刷物の入稿では「PDF/X」が一般的になっていますが、こちらは『Illustrator機能保持』チェックが外れてしまいます。
こんな場合はPDF入稿でもOK
画像の入っていないシンプルなデザインの場合、PDFプリセットを『Illustrator初期設定』にしていただくことで、「入稿データ」兼「確認用PDF」としてご入稿いただけます。ただし、フォントを使用している場合のアウトライン化は必須です。
どんなPDFが入稿NG?
PDFにはメール添付でのデザインチェックや、書類の受け渡しに便利なイメージがあります。このようなPDFの作成にはプリセットの『最小ファイルサイズ』を使用されているのではないでしょうか?
データが軽くなるため便利な一方、データは以下のように変化しています。
◎PCのモニター上で確認することが前提のためカラーモードはRGBに変換
◎画像もモニター表示に適した72ppiに圧縮
印刷を前提とするデータはCMYKであることが前提、印刷に必要な画像解像度は350ppiです。軽くて便利であっても、メール受け渡し用(モニター表示用)のプリセットで保存されたPDFは入稿データとして使用できません。
カラーモードなど入稿データの条件を満たすポイントをまとめています。以下の記事もご覧ください。
まとめ
ネット印刷では主流になっているPDF入稿ですが、オーダーメイド化粧箱の入稿データとしては推奨していません。
当社にご入稿いただいたデータは、もれなく専門スタッフがチェックを行っています。必要に応じた調整作業や製版データの作成までをイラレで行う都合上、イラレデータでご入稿いただくのがベストと言えます。