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《箱の展開図》図面のデータ形式や展開図の種類を紹介

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箱の展開図とは

箱の展開図とは、箱を切り開いて平らにした図のことです。主にCADソフトを用いて設計されます。

紙器設計用の代表的なCADソフトとして「ArtiosCAD(アルティオス キャド)」があり、当社でも使用しています。CADソフトは高額なため、フリーソフトを使用して展開図を作成することも可能で、フリーソフトとして「Jw_cad(ジェイダブリュ キャド)」「RootPro CAD(ルートプロ キャド)」などがあります。

CADソフトは、操作方法を学ぶ必要があるため、習熟するハードルが高いかもしれません。Adobe Illustratorをお使いであれば、提案段階で大まかな展開図を作成し、微調整はパッケージ製作会社に任せるというやり方でもよいでしょう。

展開図のデータ形式

箱の展開図では、データ形式はDXFEPSを用います。形式によって用途が異なるため簡単にご紹介します。

DXF

DXFとは、図形データをCADソフト間で共有するためのデータ形式です。主に抜型の製作に使用するため、抜型メーカーに抜型製作を依頼する際に、DXFデータを用いています。

DXFデータについて、下記のページで詳しく解説されています。
Adobe HP :DXFデータ

EPS

EPSとは、Adobe IllustratorやAdobe Photoshopなどで使用される保存形式です。CADソフトで作成した展開図をEPS形式で書き出すことで、デザイン制作を行う際の受け渡しに用いることができます。

EPSデータについて、下記のページで詳しく解説されています。
Adobe HP:EPSデータ

Adobe Illustratorで展開図のEPSデータからデザイン制作を行う場合は、図面とは別レイヤーでの作業をおすすめしています。レイヤーを使ったデータ作成方法については、下記のコラムをご覧ください。

《メリットしかない!》Adobe Illustrator『レイヤー』機能

化粧箱の入稿データ作成ポイントまとめ

 

箱の展開図の種類

スリーブの展開図

スリーブ

キャラメル箱の展開図

キャラメル箱

キャラメル箱【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

地獄底の展開図

化粧箱の形状_地獄底

地獄底箱(下組箱・アメリカンロック箱)【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

ワンタッチ底の展開図

ワンタッチ 図面 底面の接着部分

ワンタッチ底【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

ギフト箱(C式)の展開図

ギフト箱 身ふた式

ギフト箱(組箱・C式箱・かぶせ箱・身フタ箱)【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

N式箱の展開図

N式

N式箱【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

ピローケースの展開図

ピローケース【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

かまぼこ型ケースの展開図

かまぼこ型ケース【展開図】箱の特徴や設計のポイント解説

箱の形状を選択するポイント

箱の形状を選択するポイントは「用途」です。

店頭用、ギフト用、通販用など売り場や用途に応じて、適切なものを選択します。店頭に並んでいる商品や、通販で似たような商品を購入し、同じような箱の仕様(材質や形状)を選ぶことをおすすめします。

材質も注意が必要で、美粧性を重視する化粧箱は「板紙」。輸送用や保管用の箱は「ダンボール」。美粧性と強度を両立させたい場合は「合紙」を選択します。

同じ形状でも材質により設計も微調整が必要になります。

スリーブ

スリーブとは、両端にフタが無い筒状になった形状です。

袖(スリーブ)のような筒型形状で、商品を傷や汚れから守るカバーの役割があります。一般的には、C式の額縁付きの身箱と組み合わされることが多い形状です。

材質は、コート白ボールからダンボールまで幅広く利用されます。日本酒や洋酒の木箱をくるんだり、お菓子の缶箱をくるんだりと、紙箱以外の箱をスリーブでくるむこともあります。

シンプルな設計ですが、サイズを間違えると、中に入れる商品が入らなかったり、ずり落ちたりして、トラブルになりやすい形状でもあります。

「スリーブ」

スリーブ

キャラメル箱

キャラメル箱とは、筒状の本体に、差し込みが付いた化粧箱です。

機械貼りの仕様で量産もしやすく低コストで製造できます。使い勝手のよさ・製造コストの低さから、化粧箱の中では特に人気の高い形状です。

ただし底組みのないタイプなので、重量のある商品には向きません。

材質は、コート白ボールからダンボールまで幅広く対応します。小さな化粧品や香水、アクセサリーや衣類など、薄く軽量の品物に使われるのが一般的です。

「キャラメル箱」

キャラメル箱

地獄底

地獄底は、箱の見た目はキャラメル箱と同じですが、底部分が組み底になっています。

語源は諸説ありますが、「地獄の底に落ちたら抜けることができない」ことからそう呼ばれるようになったと言われています。

商品の材質・重量に合わせて作成すれば、底が抜ける心配はありません。「縦置きする商品に使用する箱で、底組部分にある程度の強度を確保しつつ、コストを抑えたい」というニーズに適しているといえるでしょう。

材質はコート白ボールからダンボールまで幅広く対応します。利用シーンも幅広く、お菓子、おもちゃ、アルコール類、食品、雑貨などの化粧箱のほか、輸送用や保管用のダンボール箱としても使われます。

「地獄底」

地獄底

ワンタッチ底

ワンタッチ底とは、折り畳んだ状態から箱を広げると底面が自動的に組立てられる形状のことです。

「地獄底」と同じように縦置きの商品でよく用いられますが、「ワンタッチ底」は底を糊付けするため、強度が上がります。糊付けする分、箱の単価は上がりますが、組立コストが下がるため、ロットの多い場合はワンタッチ底をおすすめしています。

「コート白ボール」や「合紙」など幅広い材質に対応しており、日本酒、化粧品、お菓子、雑貨、健康食品など幅広い用途で利用される形状です。

「ワンタッチ底」

ワンタッチ底

ギフト箱(C式)

ギフト箱(C式)とは、身箱にフタをかぶせるタイプの形式の箱です。

フタを取るまで中身がわからないため、開けるときにワクワク感を演出できます。開閉がしやすく強度がある形状のため、保管を目的とした商品や高級感を出したいギフト箱に使用されることが一般的です。

材質についても自由度が高く、フタを「コート白ボール」、身箱を「ダンボール」といったように、美粧性と強度を両立させることができる形状で、食品から飲料、小物、衣類まで、あらゆる商品に適した形状です。

「ギフト箱(C式)」

ギフト箱(身フタ式/C式)

N式箱

N式箱は、箱の上部が差し込み式のフタになっている化粧箱です。

フタを開ける楽しみがあって、ギフトボックスとしてラーメンなど麺類の化粧箱でよく見られる形状です。フタ・身箱一体型で、フタをかぶせるタイプよりもコストを抑えられ、材質や加工のバリエーションも多く、バランスのよい化粧箱といえるでしょう。

またN式箱は汎用性が高いのも特徴で、中に入れるものを選びません。箱強度もあることから、輸送箱や保管箱としてよく使用され、メール便の箱として見かけることもあります。

材質は、ダンボールが一般的ですが、厚手のコート白ボールでも用いられ、衣類から食品、小物、工具類まで、さまざまな商品を入れられる形状です。箱を組み立てる手間と時間がかかることが欠点で、繁忙期など出荷が集中する時期には、事前に箱を組み立てておくなどの対策が必要です。

N式箱」

N式箱

ピローケース

ピローケースとは、枕のような筒型形状の化粧箱で、太鼓の形状に似ていることから別名「タイコ式」とも呼ばれています。

強度はさほどないものの、緩やかな曲線が優しい印象を与える形状です。

材質は、コート白ボールなどの板紙に限られますが、片面ダンボールで製造することも可能です。

主に小物類を入れるギフトボックスとして重宝され、ネクタイ、靴下、ポロシャツ、文房具やお菓子などを入れるのにもぴったりな形状です。

「ピローケース」

ピローケース

かまぼこ型ケース

かまぼこ型ケースとは、両サイド貼りの変形で天開きになる箱です。

天面をカーブする設計にし、アイキャッチ効果を高めることも可能です。

材質は、コート白ボールなどの板紙に限られます。コーヒー、お茶、お饅頭など、軽くて小さめの商品に向いた形状です。

「かまぼこ型ケース」

かまぼこ箱

箱の試作品について

作成した展開図は必ず箱の試作品を作り、問題の有無を確認しましょう。

実際の箱に入れてみると、「フタの向きが反対だった」ということや、「サイズが異なっていた」ということも多々あります。当社に入稿される箱の図面を確認していると、材質が板紙なのに、ダンボールの設計をベースにしているケースもあります。

展開図やデザインデータのやり取りだけですと、間違いに気づきにくいので注意が必要です。

まとめ

よく使われる箱の展開図について説明してきました。

箱の展開図は、デザイナーの方が必要とされることが多いと思います。CADのフリーソフトも配布されていますので、そちらで大まかな展開図を作り、デザインを貼り付けて、パッケージ製作会社に入稿することも可能です。

ただし、慣れていない方はパッケージ製作会社に箱の試作品を作ってもらい、展開図を確定させてから進めた方がいいでしょう。

実際に商品を箱に入れてみたら、きつすぎたり、ゆるすぎたりすることもあります。デザインが校了してから、再度修正するという事態を避けるためにも、必ず商品を箱の試作品に入れて、確認することが大切です。

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