紙箱の材質と形状の選び方について
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紙箱の材質と形状の選び方についてご説明いたします。紙箱といっても材質の種類が多く、板紙でできた化粧箱から外装用の段ボール箱まで様々です。最近は、クラフト紙の化粧箱が好まれ、「エースボール」の取り扱いも増えてきました。「エースボール」とは、見た目は段ボールのようなクラフト紙でありながらも、板紙に分類されるため段ボールとの区別がつきにくいと感じる方も多いと思います。形状も材質によって変わりますので、合わせてご説明いたします。
紙箱の用途を確認
内装やギフト箱として使用
「ギフト用として販売したい」「店頭での販売を考えている」など消費者の目に留まる紙箱の場合、板紙や合紙をおすすめします。
板紙も種類が多いため、コスト重視の場合は「コート白ボール紙」。高級感重視の場合は「高級白板紙」。サプリメントや衛生材料などコストと清潔感が必要な場合は「片面コートカードB」。環境に配慮した簡易包装というイメージを出したい場合は「エースボール」をお勧めします。日本酒の720mlの箱のように割れ物で重いものは「EF合紙」がよく利用されます。内装としての事例が少ないですが、GFの段ボールを使用する場合もございます。板紙より強度やクッション性が高いため、瓶やプラスチックケースなどの割れ物を包装するのに適しています。
コスト重視の場合
・コスト重視の場合は、コート白ボール紙(例:雑貨、お菓子など)
高級感重視の場合
・高級感重視の場合は、高級白板紙(例:化粧品、医薬品など)
コストと清潔感を両立させたい場合
・コストと清潔感を両立させたい場合は、片面コートカードB(例:マスク、ガーゼなど)
環境に配慮したイメージを出したい場合
・環境に配慮したイメージを出したい場合は、エースボール(例:お菓子、雑貨など)
日本酒の720mlの箱など割れ物で重いもの
・日本酒の720mlの箱など割れ物で重いものは、EF合紙(例:電子機器、マグボトルなど)
アンプルなど小さくて割れやすいもの
・アンプルなど小さくて割れやすいものは、GFの段ボールなど(例:ガラス製品など)
外装として使用
「工場からお店へ商品を送りたい」など、主に輸送目的の場合は段ボールを選びます。
輸送用段ボールは厚さ5ミリのAFがよく使用されます。最も一般的な材質は、K5/K5、またはC5/C5で、送る商品の大きさや重さによって材質を選びます。30cm角以下の小さめの段ボール箱は厚さ約3ミリのBF。それ以上は、厚さ約5ミリのAFが目安となります。厚さ8ミリのWFは、輸出用の重量物の場合に使用されることが多いようです。
外装の一般的な材質は段ボール
・外装の一般的な材質は、段ボール(AF/K5/K5ないしAF/C5/C5)
箱の大きさによって紙厚を選ぶ
・30cm角以下の小さめの段ボール箱は厚さ約3ミリのBF。それ以上の大きさのダンボール箱は、紙厚約5ミリのAFが目安。
輸出用で重量物を入れる外装の場合
・輸出用で重量物を入れる場合は、紙厚約8ミリのWFを使用することが多い。
※参考リンク ライナ・中芯・段の種類とは?ダンボールの材質とサイズ選び
紙箱の形状の選び方
形状の選び方:化粧箱として使用するとき
紙箱を化粧箱として使用する場合、商品によって定番の形状がございます。レトルトカレーなどの平べったい商品は、キャラメル箱。日本酒やマグカップなど、縦置きの商品は、ワンタッチ底か地獄底。贈答用のお菓子などは、ギフト箱。ギフト箱だとコストがかかりすぎる場合は、N式箱などを選びます。衣類など商品を吊り下げて陳列したい場合は、キャラメル箱にヘッダーをつけるなど設計をアレンジすることもあります。
レトルトカレーなど平べったい商品はキャラメル箱
箱の形状で最も一般的なキャラメル箱。印刷品質とコストの両立が可能で、小型で軽めの商品によく使用されます。中央のチキンカレーのパッケージは、当社でデザインした無料サンプル化粧箱。
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日本酒など縦置きの商品はワンタッチ底か地獄底
ワンタッチ底とは、底面に糊付け加工し、折りたたんだ状態から広げると自動的に底面が組みあがる形状。地獄底の箱と同様、お酒などの縦置き型の商品に適しています。
地獄底とは、キャラメル箱よりも底面が抜けにくい構造。ボトルやマグカップのように商品を立てて入れる箱によく使用します。ワンタッチ底に比べて底面の接着が無い分コストが安く、箱の保管スペースも少なく済みます。ですが、底部分の組み立ての手間がかかるため、1回の出荷量なども考慮して選ぶことが重要です。
贈答用のお菓子などはギフト箱またはN式箱
ギフト箱(身ふた式化粧箱)と中身を仕切る台紙もオリジナルで設計可能です。「箱を兼用して仕切りだけ入数に応じて変更したい」といったご相談もお任せください。オーダーメイド化粧箱専門店ならではの豊富な実績から、最適な設計をご提案します。
ギフト箱としても人気の形状N式箱。上記のキャラメル箱などと異なり、箱を折り込むだけで組み立てられます。接着の必要がないため作業工程が少なくなり、低コストで製造できます。
形状の選び方:外装として使用するとき
紙箱の外装というと段ボール箱が一般的です。輸送用の段ボール箱は、A式箱と呼ばれる上下をガムテープでとめる形状を選びます。持ち運びしやすいように、取っ手や穴をつける加工も可能です。店頭で陳列される家電製品などは、地獄底もよく見られます。主に消費者にそのまま渡す場合など、ガムテープの跡がでないよう美粧性を持たせるために選ばれることが多いようです。
輸送用の段ボール箱はA式箱
上下をクラフトテープで止める「A式箱」。「みかん箱」とも呼ばれます。一番安く製造可能です。
地ビール6本用 地獄底キャリーケース(EF)。取っ手付きで、底面部分を組み立てると箱の内部で仕切りになるように設計。ビンの直径60ミリ/高さ215ミリ程度まで対応。ワインや日本酒の箱としても。
サイズや材質によって不向きな形状
紙箱の形状を選ぶ際、サイズや材質によって不向きな形状がございます。例えば、レトルトカレーのように平べったい箱に段ボール素材は不向きですし、A式の輸送用段ボール箱なのに、ワンタッチ式を選ぶと抜型代が発生し、割高な箱になってしまいます。オリジナルの紙箱を企画する時は、まずは店頭に並んでいる商品や、他社の段ボール箱などを観察して、真似てみることをお勧めします。形状、材質、印刷方法など、各社工夫を凝らしてあり、大変参考になります。
まとめ
紙箱の材質と形状については、定番のパターンがありますので、店頭で他社製品を観察することをお勧めします。商品ごとに、使用する材質や色数が似通ってきますので、同じような仕様にすることで、コスト差も少なくなります。ただし、箱の単価はロットにより大きく変わります。ロットが数万枚の箱と、1000枚くらいの箱を比べると、同じような仕様でも、単価の差がかなり出ますのでご注意ください。
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